外国人から教えられた東京近郊の魅力的スポット3選(チームラボ、旧朝倉住宅、龍Q館)

ガイドをしていると、お客様から色々なリクエストを受けますが、自分では思いもしなかった所に案内して欲しいということも度々あります。東京近郊でお客様が非常に喜んだ場所3つを紹介します。3つとは、チームラボ、旧朝倉住宅、龍Q館です。

1.チームラボ・プラネッツ
8月にベトナム系アメリカ人家族からの依頼で東京の新豊洲にあるチームラボプラネッツに行きました。12才の娘がSNSで東京に行ったら是非行くべき場所として紹介されていたのを見つけたそうです。行ってみると100人ぐらいが入口の外の炎天下に並んでいましたが、7割程は外国人のようでした。

チームラボプラネッツは4つの巨大な作品空間と、2つの庭園からなるアートミュージアムです。建物の入り口で、来場者は靴とソックスを脱ぎ、鍵付きのロッカーに入れるよう指示されます。裸足になって順路に沿い歩いて行くと2メートル程の幅しかない暗い廊下が現れます。この廊下は緩やかな上りになっていて水が小川のように流れています。暑い日だったので、気持ちよくゆっくり10数メートル程上り、左に曲がって最初の部屋に入りました。そこは天井から沢山のガラス棒のようなものが垂れ下がっており、それらについているLEDランプが発する光が床の鏡に反射して幻想的な雰囲気を演出していました(上記写真)。天井から沢山の「花のラン」を紐で吊り下げられた部屋(タイトル下の写真)も天井、床、壁が鏡になっていて、中に入ると人を感知して花が上下にゆっくりと動きました。また、部屋全体が深さ10センチ程の池になっていて白く濁っている水に天井から映写された色とりどりの鯉や花がゆっくり動いている部屋もありました。このように素足で歩きながら新世界を体験するミュージアムです。お客様も私も感動しました。

運営しているチームラボとは東京都千代田区に本拠を置くデジタルコンテンツ制作会社ですが、プロジェクトマッピングを多用したデジタルアートで有名となり、日本だけでなくシンガポール、マカオ、上海、ニューヨークでも常設展示を行っているそうです。

場所:東京都江東区新豊洲6-1-16  (ゆりかもめ・新豊洲駅から徒歩1分)

 

2. 旧朝倉住宅
2月にルクセンブルクの夫妻からの依頼で東京の代官山にある旧朝倉住宅に行きました。来日前にガイドブックやSNSで調べ古い日本家屋が見られることを知り、訪問リストに入れたとのことでした。

旧朝倉家住宅は、東京府議会議長や渋谷区議会議長を歴任した朝倉虎治郎氏により1919年(大正8年)に建てられました。大正期の邸宅文化を感じられる2階建ての建物内と回遊式庭園を見学することができます。主屋は木造2階建てで、ほぼ全室が畳敷き、屋根は瓦葺、外壁は下見板張、一部漆喰塗りとなっており、明治時代から昭和30年頃までに建設された邸宅の特徴を顕著に表しています。

下見に行ったのは平日であまり面白味のない場所と思いましたが、お客様と訪れたのは日曜日だったので広い和室で10名程の着物を着た女性が琴の合奏をしていて、お客様は非常に喜んでいました。日本人にとっては畳や障子などは一般的なものですが、西洋人にとっては非常に興味深いものであることが分かりました。玄関で靴を脱いで、10もある和室を見て回ったのですが、質問が止まりませんでした。畳は何で出来ているのか、畳のヘリの模様に意味があるのか、雨戸はいつ開けていつ閉めるのか、ベッドが見当たらないがどうやって寝るのか、食堂にテーブルがないがどこで食べるのか、などなど。私の答えを興味深く聞いて日本文化を理解しようとしていました。私が当初思っていたより、お客様は楽しんでいました。

開館時間: 10時~18時(11~2月は16時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は直後の平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
観覧料:一般100円、60歳以上の人、障害のある人と付き添いの人は無料

場所:東京都渋谷区猿楽町29-20 (東急東横線「代官山駅」から徒歩5分)


3. 首都圏外郭放水路地底探検ミュージアム「龍Q館」
ハネムーンで日本に行くという20代のアメリカ人カップルに、龍Q館の予約をしたので通訳として同行して欲しいと頼まれ案内しました。アメリカのTV番組で日本の巨大地下神殿を紹介しているのを見て感動し、日本に行くなら是非訪問したいと思ったそうです。

東京から30キロ程の埼玉県春日部市の川沿いの地下に龍Q館と呼ばれる巨大地下施設があります。その正式名称は「首都圏外郭放水路」で、世界で最も大きな地下建造物の一つです。洪水を防ぐため、雨水が通りにあふれる前に大量の水を下水道から受入れ、利根川など安全な場所へ流す施設です。カップルは、高さ18m、重量500トンの柱が59本もそびえている巨大な貯水施設「調圧水槽」がまるで神殿のようなことと日本の建築技術に感動していました。

龍Q館は次の4つの見学コースを提供しています。
地下神殿コース:地下神殿「調圧水槽」の見学、約1時間、1000円
立坑体験コース:深さ70メートルの立坑の見学、約2時間、3000円
ポンプ堪能コース:「調圧水槽」とポンプ室内を見学、約100分、2500円
インペラ探検コース:排水ポンプのインペラ(羽根車)の見学、約110分、4000円
我々は地下神殿コースに参加しましたが、迫力満点、お客様も大変満足していました。

場所:埼玉県春日部市上金崎720
東武野田線(東武アーバンパークライン)南桜井駅北口より 徒歩30分程度(約2.3km)

  1. 参考
    ブログ「An Amazing Underground Shrine, RYU-Q kan, in Saitama」by Eddy


By Eddy

Eddy Murayama

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お客様の大半は初めて日本に来る人達で、ガイドに様々な期待を抱いています。このため単なる観光地の説明ではなく、日本文化の魅力や生活習慣なども楽しく紹介するように心がけています。

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