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動画編集は簡単?(その2 後編)

iTWS japanJin Shibata です。

前編では、ストーリーのある動画作りに適した編集ソフトについて触れました。後編では動画編集で無駄を省き短時間に作業するために実践しているポイントをまとめたいと思います。

  • 映像クリップの事前整理
    ストーリーや構成次第ですが動画は数秒の映像クリップの集合体です。TVのドラマで一つのシーンが次のシーンに何秒で変わるかカウントしてみてください。多くのシーンが5秒から長くて10秒くらいでしょう。コマーシャルなら2秒以下がほとんどです。私の「近くの観光スポット紹介動画」もそれぞれのクリップが2秒~5秒ほどですので1分の動画で15~25ほどの映像クリップとタイトル画面が必要です。撮影では2~3倍ほどのクリップを撮影し、後ほどの編集作業で全体の構成にあわせてクリップを選択していきます。その編集作業に入る前に大事なのはタブレットやPC上で行う事前の整理です。私はiPadのカメラロールに映像クリップをすべて取り込んだ後、ストーリーの展開に合わせて使いそうなクリップのみをグルーピングしてカメラロールのアルバムに収納します。例えば「鳥居から参道」「拝殿」「絵馬」「お守り授与所」「屋台」「カバーとエンディング」の6つのアルバムをカメラロールに作り、動画編集ソフト上ではそれぞれのアルバムから使用するクリップをタイムラインに取り込みます。事前整理をしないと編集ソフトに取り込む際に目的のクリップが探せず時間がかかり無駄が生まれます。
  • 動画の細部調整はBGMとマッチングしてから
    視聴者は「視」(絵を見る)と「聴」(音を聴く)という二つの要素で動画を受け取ります。音が動画の質の半分を占めていると言ってもいいでしょう。動画における音は、撮影時に収録された環境音、撮影後に挿入された音(効果音、ナレーション、BGMなど)からなります。私の動画では効果音を加えることはあまりなく環境音以外ではBGMが大きな要素となりますので、映像クリップの展開とBGMがちぐはぐだと間の抜けた作品になってします。タイムラインに映像クリップを並べてBGMを挿入し、再生しながらBGMの音調の変化に合わせてクリップの長さ(尺)を調整します。時には映像クリップの順番を入れ換えも行います。大事なのは映像クリップの色補正やエフェクト(クリップ間のトランジション、映像クリップの拡大・縮小・パン効果など)をあてる作業は、BGMとの適合作業の後に行うことです。事前に行ってもその色補正されたクリップを結局使わなかったり、エフェクトがBGMとマッチングせず作り直しをするなど無駄な作業をすることになるからです。一方、尺の長い映像クリップをジャンプカットする編集なら、ジャンプカットする前にクリップ全体を最初に色補正します。そうしないとジャンプカットで細分化された多くのクリップを一つ一つ色補正することになります。以下に1分の動画作成をするうえでの流れをまとめてみます。
    仮プロジェクトの作成      映像クリップやタイトルをタイムラインに組みこみ、クリップのトリミングだけを行い70~80秒ほどの仮プロジェクトをまず作ります。
    BGMと映像クリップのマッチング       選択したBGMを編集ソフトに取り入れ、そのBGMの速さや音調変化に合うように映像クリップの長さをトリミングで再調整したり映像クリップの順番を入れ換えして1分以下にまとめます。
    映像クリップの色補正とエフェクト    映像クリップの色補正とエフェクト適用はほぼプロジェクトが完成した段階で行います。映像クリップ間の色調に統一性があること、エフェクトを含めた全体が調和していることを確認します。
  • BGMの事前準備
    動画編集ソフトが内包している無償BGMは限りがあります。かといって月額数千円の著作権フリーの音源サイトを使う必要は私の動画ではまだありません。無償の著作権フリーのサイトは色々ありますが、現在 Dova-Syndrome を主に活用しています。私が作成する動画に使用できそうなBGMを事前に検索、楽器別や曲調別などで区分けして保存、プロジェクトに合わせて選択をしています。区分けは大まかで「ピアノ、爽やか、自然風景向け」「シンセ、アップテンポ、都会の風景向け」といった感じで、それぞれに5~10曲くらいをストックします。この作業を暇な時に行っておきます。動画編集の途中でBGMを組み込みクリップの尺をBGMに合うように調整をしますが、いざ組み込んでみるとしっくりこずBGMを入れ替えることが結構あります。その際にあらためてBGMをネット上で検索する手間を省き編集をスムーズに終わらせることが目的です。
    Dova-Syndrome リンク
  • 映像クリップの色補正にLUTを使う
    映像撮影の初期は撮影後の色補正が必要ないとされるピクチャープロファイル(ソニーならPP1, PP6など)を使用していました。しかし明暗差の大きなシーンの撮影がうまくいかないことが幾度かあり、現在はHLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)というダイナミックレンジ(映像の輝度幅)が広いピクチャープロファイルを使用しています。これはポストプロダクション(撮影後の作業)で色補正する必要があり、編集ソフトLumaFusionでLUTを適用して色補正し標準ディスプレイ(SDR, Rec709)向けの色域に変換しています。HLG や Rec709 などの用語を初めて聞く人にはチンプンカンプンかもしれませんが、実際にしている作業は単純です。まずカメラのピクチャープロファイル設定でHLGを選択して撮影、その撮影クリップを編集ソフトに取り込み、ソフトに組み込んである HLG -> Rec709 変換用のLUTを適用、これだけです。LUTの適用作業はワン・クリックするだけで、その撮影クリップの基本的な色補正が完了し、あとは必要に応じて露出やコントラストを微調整します。LUTの使用は動画編集における色補正に要する時間を圧倒的に短くしてくれます。
  • プロジェクト作成中のバックアップ
    プロジェクトの完成間近で動画編集ソフトがフリーズしてそれまでの編集が消失するのは悲劇です。何度か経験しました(😿)。今は使用している LumaFusion がプロジェクト作成中に自動でバックアップを保存しますので、仮にフリーズしても iPad を再起動すればフリーズ前の状態に復元できます。使用するソフトにそうした自動バックアップ機能が無い場合は、プロジェクト作成中にこまめなバックアップをとることをお薦めします。
  • プロジェクトの保存方法を確立する
    完成したプロジェクトを書出して自分のタブレットやPCに保存、そしてSNSに投稿します。これで動画作成は一旦終了ですが、その動画を後日に再編集するニーズに備えてプロジェクトと使用した映像クリップ等をまとめて保存します。LumaFusion はプロジェクトをZip形式で存する機能が優秀です。タイムラインの記録はもちろん、プロジェクト作成時に使用した映像や音声・BGM を元クリップのまま一つのファイルに保存できます。その保存を終えたら、iPad のカメラロールに取り込んだ映像クリップを削除し iPad 上の記憶領域を解放します。後日、保存されたプロジェクトをLumaFusion上で再展開して、新たなクリップを加えるなどして別のプロジェクトとして作成することも容易にできます。そうした機能がない、あるいは不安定な編集ソフト(私の経験では Premiere Rush)を使用しているならご自身の保存方法を確立しておかないと、後日に一から作り直すことになるやもしれません。
  • 今回は動画作成で無駄を省くために私が実践していることをまとめてみました。iTWS japanも YouTube アカウントを作成して通訳ガイドである組合員がそれぞれの動画を投稿しようと話し合っています。私自身も自撮りやナレーションなどまだ経験のないことにチャレンジしなくてはなりません。動画は奥が深いです。

By Jin Shibata

jin.shibata@i3ws.co.jp

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