
iTWS japan の Jin Shibata です。
「VLOG 動画事始め」の2回目です。このシリーズでカバーする予定の5つのポイント(下記)のうち、前回は1と2をお話ししました。実際にスマホで動画撮影を試みた方はいらっしゃいますか?今回は「3. 私の機材、カメラ設定、編集ソフト」について述べたいと思います。動画初級者の見解ですが、VLOG 動画を始めようと考えている方の参考になれば幸いです。
動画撮影の機材について
現在使用している主な撮影機材は以下です。「自分でシャッタースピード、F値、露出・ISO感度などが設定できること」が私にとって大事ですので、それができないスマートフォン(iPhone8)は使用していません。
コンデジと一眼ミラーレスカメラは以前から所有していましたが、動画用に「コンデジ用の三軸ジンバル Crane M2」と「3軸ジンバル搭載小型カメラ DJI Pocket2」を新たに購入しました。ジンバルによる手振れ補正効果はとても大きく、特に歩きながらの撮影やコンデジでズームした時にその恩恵を強く感じることができます。一方、一眼ミラーレスカメラ用のジンバルはかなり大型になるので購入を見送り、同カメラは手持ちや一脚・三脚で「固定ショット」用に使っています。
DJI Pocket2 は2020年秋に発売された小型カメラです。搭載された3軸ジンバルによる手振れ補正はかなり優秀です。また「タイムラプス」「モーションラプス」「ハイパーラプス」が簡単に撮影できるのでとても便利です。F値(レンズの絞り値)は固定ですが、シャッタースピードや露出を自分で設定できるマニュアルモードがあるので撮影の自由度が高い機材です。DJI Pocket2 単体で「スマホとジンバルの併用」より軽量コンパクトな運用ができますし、レンズは超広角 20㎜ ですから街撮りや自撮りユーザーにお薦めです。
ND フィルターは、私は日中の撮影であればすべてのカメラに使用します。ND フィルターはサングラスのような働きでカメラに入る光量を減らすことができます。その光量の減少によりシャッタースピードを自分の求めるところまで遅くすることができます。動画の場合はシャッタースピードを1/50秒や1/100秒に遅くすることが重要で、カメラ任せによる早いシャッタースピードがもたらす動画のパラパラ感や蛍光灯・LED 電源のチカチカ(フリッカー)を防ぎます。可変タイプ ND フィルター(K&F ND2~32)と固定タイプ ND フィルターを組み合わせて光量を調整しています。
カメラの設定について
コンデジのソニー RX100M6 と一眼ミラーレスのソニーα7R3の設定は以下の様にしています(DJI Pocket2 は細部が異なります)。スマホはシャッタースピード・F値・ISO 感度などを設定できません。そのため画像がパンフォーカス(画面全体にピントがあっている)でボケがなく画面が単調です。またパラパラ画面となりやすく安っぽい画質になりがちです。カメラではそうならないように設定を工夫できます。
映像記録の方法をどれにするかは試行錯誤の連続です。初期はカメラのピクチャー・エフェクトを選択(例:ナチュラル、風景)して撮影していましたが、その後10種類あるピクチャープロファイル(PP)から、PP1(Movie ガンマ)、PP6 (フラットガンマ、Cine2)、PP7 (S-Log2、カラーグレーディングによる編集が前提)をトライしました。今日現在は PP10(HLG2、ハイブリッド・ログ・ガンマ)の撮影を試みています。映像における「色」の世界は奥深くとても難しいです。
動画編集ソフトとハードについて
現在、動画編集を行うハードは iPad Pro (第二世代)です。私のデスクトップ PC (Windows) のグラフィック GPU は GeForce GTX1050 なので写真のRAW現像は4200万画素でも問題ないですが、動画だとフルHD 1080p(200万画素)ですらカクカクすることがありストレス要因となります。扱うデータが大きい動画を始めるとパワーのあるハードが欲しくなるので「ハード沼」に陥ります。
編集ソフトも様々なものがあり悩ましいところです。今までの変遷を時系列でまとめると以下の様になります。
編集ソフトはいくつかの無料版を試用したのち、Adobe Premiere Rush に落ち着いて数か月間使用しました。直感的に使えて基本的な動画編集はほぼこなせる優秀なソフトです。その後 Rush 有料版のコンテンツを利用したくなり月額550円プランに移行しました。しかし、今日現在使用している編集ソフトは「LumaFusion」です。Adobe Premiere Rush はデータ保存が不安定で、また動画編集に限界(例:ログ撮影素材を扱えない)があったためです。LumaFusion は iPad Pro (第二世代)で 4K 素材もサクサク編集でき、編集の幅も Premiere Rush より桁違いに広いので iOS ユーザーにお勧めします。一方、LumaFusion の弱点は色の三原色である赤緑青(RGB)のそれぞれの色で色補正ができないことでしょう。私はその弱点は別のアプリ「Video LUT」で補完しています。LUT (ラット)は Look Up Table の略で「入力色データに対応する出力色データを参照(Look Up)する対応表(Table)」と定義されるそうです。私も最初は「なんのこっちゃ?」と理解に苦しみましたが、「異なる出力装置でも色を統一させて自分が望む色を再現できるようになる対応表」と理解すると少しはわかり易いでしょうか?実際に私はある映像素材に関して LumaFusion で追い込めない色があった時、Video LUT で色を調整、 LUT(.cube) として保存、それを LumaFusion に取り込んで適用します。
今、導入を検討している動画編集ソフトは「Final Cut Pro X」「Davinci Resolve」「Adobe Premiere Pro」などです。これらはカラーグレーディングを含む全ての編集機能を網羅した映像のプロが使用するものですが、私の現在の iPad Pro とデスクトップ PC はこうしたソフトを扱うパワーがありません。現段階での理解で一番コスパがよいのは「iMacBook Air」(M1チップ, メモリ16GB, ストレージ512GB)を購入して「Final Cut Pro X」と組み合わせて動画編集するかたちです。それでも合計で20万円となりますので、財務省と折衝が必要です。
今回の「VLOG 動画事始め」のブログはここで終わりです。次回は、以下のポイントを予定しています。
では、次回まで!
By Jin Shibata
Email: jin.shibata@i3ws.co.jp
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