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VLOG動画制作のヒント: ジンバルの機能と運用

iTWS japanJin Shibata です。

前回のブログでは私の使用しているコンデジ(Sony RX100M6)とジンバル(ジウンCrane M2)を撮影機材システムとしてどのように運用しているかをご紹介しました。RX100M6は優秀な静止画機能をもつコンデジですが、動画機としては最新の機種に比べると劣る点もあります(モニターがバリアングルでない、電池持ちが短いなど)。ジンバル利用の第一の目的は手ブレの軽減ですが、RX100M6の欠点をジンバルとの連携で解消する方法に焦点を置いたのが前回のブログでした。

今回はジンバルそのものの機能を復習し、撮影補助機材としての役割をまとめたいと思います。私はジンバルを購入した当初はその優れた手ブレ軽減機能が嬉しくてカメラをやたらに動かしていたように思います。しかし動画作成を繰り返すうちに、私のテーマ(自宅近郊の観光スポットの紹介)の動画にはカメラを動かす動作はそんなに必要なく、むしろ固定ショットを中心にした方がいいのではないかと思うようになりました。そんな折ですので、今回のブログのテーマは、自分のジンバル運用をどうするかを見直すためでもあります。よろしければお付き合いください。

3軸ジンバルの機能

三脚は手ブレ低減には絶大の効果を発揮しますが、カメラの位置は動かせません。映画撮影の様にレールを敷いてカメラ移動するような大掛かりな装置は個人撮影では論外ですが、個人の三脚ですら主要な観光地では使用が許されません。そんな状況の中で三脚と同様の効果をもたらす手持ち運用のジンバルは画期的な道具です。現在のジンバルの主流はバン軸(左右)、チルト軸(上下)、ロール軸(回転)の3軸のそれぞれの動きをモーターで制御するものです。3軸の制御をどう組み合わせるかによって、様々な映像撮影場面においてカメラを動かしても手ブレを抑えてくれ、またカメラの移動の動きを滑らかにしてくれます。

以下に代表的なモードを記載します。ジンバルメーカーによって呼び方や略称が異なりますので、パン軸、チルト軸、ロール軸のどれを固定し、どれを撮影者の動きに追従させているモードなのかを意識しないと混乱するので注意が必要です。

  • パンフォロー・モード

チルト軸(上下)とロール軸(回転)は固定されるように制御されるモードです。カメラをパンしながら(例:左から右に振りながら)撮影するときに使用します。ジンバルのバン軸(左右)はあらかじめ定めた速度で回転しますので、滑らかで水平軸がぶれない映像が撮影できます。私たちは広大な風景に出会うと顔を左右に動かしてその大きさを味わいますが、カメラの画角に収まりきらない風景や建物の大きさを表現する時などに有効です。

  • ロック・モード

3軸の動きをロックするモードです。ジンバルを左右上下斜めに動かしてもカメラが一方向に固定されたままになります。前方にある被写体に歩きながら近づく時にその被写体を手ブレなく捉え続けます。左から右に動く被写体に並行して横から撮影する時などでもとても有効なモードです(ドリーショットといいます。ドリーとは台車のことです)。また、手ブレは画角が広角側から望遠側に狭くなるほど目立ちます。私の技術レベルでは固定ショットで広角(例:24mm)なら手持ち撮影でもなんとか手ブレの目立たないショットが撮れますが、標準(例:50mm)以上だとブレが大きく見れたものではありません。それがロック・モードで撮影すると中望遠(例:80mm)以上でも手ブレが目立たないショットが撮れます。

  • フォロー・モード

ロール軸(回転)が固定され、パン軸(左右)とチルト軸(上下)は撮影者の手の動きに追従するモードです。カメラを左下から右上に上げるショットを撮りたいがカメラの水平は維持したい時などに有効です。建物などの被写体を下から上、またはその逆方向に撮影する時などにも使用しますが、左右にカメラがぶれないように注意が必要です。

  • オール・フォロー・モード

三軸すべてがジンバルを持つ撮影者の手の動きに追従します。撮影者の意図する方向と角度で自由に撮影したい時、ジンバルによるスムーズな移り変わり(トランジション)を表現できます。ユーチューブでは例として、お花畑の中を蝶々が自由に動き回っているかのように撮影したものがありました。また、ジェットコースターに乗ってジンバル撮影をするときはこのモードを使わないと、乗っている人が体験するような映像にはなりません。私の所有するジウンCrane M2ではPOVモードと呼んでいますが、Point of View(視点)の略だそうです。

  • 回転モード

ジンバルに載せたカメラが90度上向きなり、指定した方向にカメラをぐるりと360度回転することができるモードです。メーカーにより呼び名が異なります(Vortex, Spiral, 360-Roll, Inception など)。満開の梅の木の下に入り込み、頭上の見事な枝ぶりをこのモードで撮影したことがあります。

ジンバルを使った撮影方法

ジンバルはカメラを動かしながら撮影する時の手ブレを抑えてくれる上に、移動するカメラの動きを均一に滑らかにもしてくれます。その性能を生かし様々な撮影方法が運用されています。私がフォローしている映像クリエイターの Ishida JunichiさんのYouTubeから以下の様にまとめてみました。

  • Reveal       …撮影者が前進している時に、被写体に後ろから入ってもらう。ロックモード。
  • Tilt Reveal     …撮影者が前進しながら、カメラを上から下へ降ろし被写体を捉える
  • Push-in, Push-out  …撮影者が前進して主題たる被写体に近づく、あるいはその逆。ロックモード。
  • Point of View    …三軸を自由に使う動き。オールフォローモード。
  • Slider        …左から右へ動く被写体に並行して動き横から撮る。ドリーショットとも言う。ロックモード。
  • Follow        …前を進む被写体を追いかけるように撮影者も前進する
  • Elevator       …ジンバルに上から下、下から上に動かし被写体を捉える角度を変える
  • Orbit         …被写体のまわりをぐるりと回って被写体の全体を捉える。パンフォロー・モード。
  • Fake Drone      …ジンバルに一脚をつけて高い視点から下の被写体をドローンで撮影するような視点で捉える。ロックモード。
  • Fake Crane      …ジンバルに一脚をつけて低い視点から高い視点にカメラを移動して(あるいはその逆)、映画で使うクレーンで撮ったような映像を撮る。ロックモード。

一つの動画作品にこれらのジンバル利用の撮影方法のうち1~2種類くらいを盛り込めるとアクセントのある動画が作成できると思います。逆に使いすぎると見る人が疲れるようですから注意が必要です。私は動画制作を始めて1年以上たちましたが、使ったことがあるのはまだ3~4種類くらいしかないです。う~ん、動画ってやっぱり奥が深くて難しい…

ここまでお読みいただきありがとうございました。

By Jin Shibata

jin.shibata@i3ws.co.jp

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