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直営業のすゝめ(後)

前回は、全国通訳案内士とガイド契約を締結する4つの相手方、とりわけ国内の派遣会社にフォーカスを当てました。派遣契約で40~50%の鞘を抜き、ガイド業務のアサインを餌に研修受講を促す某NPO法人グループについて言及しました。

ガイド業務にアサインされる淡い期待を抱きつつ、このNPO法人グループの主催する研修を受講してきた全国通訳案内士が、当組合にも存在します。その嘆きの声を耳にした際、良い意味で純真無垢、悪い意味で

ビジネスの世界を知らない人間が陥る、よく聞く話だなあ…

というのが私の正直な感想で、同情心はさほどありませんでした。当該メンバーには誠に申し訳ありませんが…。

私は若かりし頃、粉飾決算していたいくつかの取引先に融資したことがあります。会計不正を見破れた先もあれば、見破れずに倒産した先もあります。騙す方が悪いのは当然だが、騙される方にも問題があると思っています。大学生時代に挫折した公認会計士資格に再び挑む契機になったので、この件は苦いだけの過去でもありませんが。

そして、この某NPO法人グループの場合、仕事のアサインを餌にはしていましたが、研修を受講すれば絶対にアサインするとは一言も約束していません。つまり、決して騙してはいないのです。リーガルマインドに欠ける全国通訳案内士が、自分がアサインされるものだと過度の期待を勝手に抱き、裏切られたことに失望し、不満や怒りを表明しているだけなのです。

これについては、ほぼ同様の趣旨の発言をPEP英語学校の校長(杉森 元氏)が行っています。それだけでなく、通訳案内士に対する提言も行っており、私がこれから行っていく主張とそう異なってはいません。杉森氏と私の関係は、通訳案内士試験対策テキストの執筆者と購入者だけの関係です。回し者では決してありません(笑)。動画の中で「拡散大歓迎」と本人がおっしゃっているので、以下に遠慮なく動画を貼付させていただきます。

前述の“ハロー通訳アカデミー”の植山 源一郎氏も、独立・起業に関心にある全国通訳案内士は、オウンドメディア(自らのWebサイト)を通じて世界に向けて営業活動を開始すべきだ―と先般開催されたセミナーで主張されています。恐らく、これを全面的に否定するのは困難でしょう。

その一方で、アメブロのような無料ブログならともかく、ランディングページからブログまで一通り揃ったオウンドメディアを全国通訳案内士が一斉に立ち上げるような状況は、残念ながら、これっぽっちも想像できません。それはなぜか―。

私が見聞きしてきた限り、

平均的な全国通訳案内士のITリテラシーは、一般的なビジネスパーソンと比較しても低い

からです。無料ブログで発信するどころか、スマホを人並みに駆使できず、SNSアカウントを開設しても他人の投稿を見るだけのような人々が、一体どうやってオウンドメディアを通じて世界に向けてセルフブランディングするのか―。現時点においては、夢物語にしか思えません。

派遣会社に40~50%をピンハネされたり、20~30%のマッチングフィーを払ったりしてでもガイド契約を結ぶ流れが止まらないのは、実は通訳案内士サイドの問題が大きいです。起業家マインドが希薄なまたは欠如した人間にとって、他人のお膳立てした舞台で演じて、その待遇に不満を述べる方が気楽なのです。

だからと言って、何ら解決策を打ち出さずに、相談してきた通訳案内士をバッサリ切り捨てるのは、私のプライドが許しません。それで、数週間に渡り知恵を絞って知識の拡充を図った結果が、先例があまりないガイド契約のパターン、つまり、外国人旅行者への「直営業」を行うための有限責任事業組合の設立への動きにつながっていきました。

何とか、無理やり3回の投稿でシリーズものの導入部分を書き終えました…。自ら当組合のメンバーに宣言した通り、本当に1ヶ月でこのシリーズを書き終えることができるのか―。いささか不安になってきました(苦笑)。

有限責任事業組合 iTWS japan
Webサイト運営責任者 高野 雄希

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